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「温泉」押せ推せ!タトゥー万全対策/NZ、豪など

<公認キャンプ地(3)大分県別府市>

ニュージーランド、オーストラリア、ウェールズ、カナダを、別府市が公認キャンプ地として迎え入れる。大勢の外国人観光客をもてなすために、名物の「温泉」を世界へアピール。1月に動画サイト「You Tube」に投稿したPR動画の再生数は15万回を超えた。日本と海外で考え方に差のある、タトゥーへの配慮も万全だ。【写真】動画「NO SIDE」のワンシーン  ◇   ◇   ◇  

湯上がりの男が腰にバスタオルを巻き、上半身裸で走りだす。迫り来る市民をステップでかわし、警察に「タックル」されたかと思えば華麗な「オフロードパス」。ボールに見立てた湯おけを落とせば、砂風呂に隠れていたレフェリーから「ノックオン」をコールされ、駅前で「スクラム」を組む。そんなラグビーと温泉を掛け合わせた動画「NO SIDE」が注目されている。

同市役所のラグビー・ワールドカップ(W杯)推進課の森修二郎さんが発起人となり、企業からアイデアを募って完成させた。森さんは「せっかく海外から大勢のお客さんを受け入れるのだから、温泉を使わない手はありません」と名物で直球勝負。世界での反響も大きく、市内の宿泊宿は順調に予約で埋まってきているという。

年間外国人観光客の9割がアジア圏から。一方で欧米からは数千人程度だというが、W杯期間中だけで数万人を見込んでいる。そこで懸念されるのが「タトゥー」問題。欧米ではファッション的位置づけであり、ニュージーランドのマオリ人にとっては伝統的な文化の1つ。そんな観光客をがっかりさせないための工夫もばっちりだ。

外国人観光客向けの温泉サイト「ENJOY ONSEN」を企業と共同作成した。サイト内には温泉にまつわる情報が英語で記載されている。その中に「タトゥーがあっても入浴可能な100の温泉」と題した地図を作成。グーグルマップ内に入浴可能なアイコンが表示され、大浴場に入浴可能な温泉は水色、貸し切り湯のみはオレンジ色、足湯・手湯は青色と一目で分かる。森さんは「せっかく来てもらってがっかりさせたくないですから」と受け入れ態勢を整えている。

強豪チームのキャンプ地にもなっているだけに、長期にわたって熱を帯びそうだ。「大会を盛り上げるのはもちろん、これを機にリピーター客も増やしたい」ともくろむ。母国に帰国しても“湯冷め”させないほどの、熱いおもてなしの準備は整っている。【佐々木隆史】