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子育てママ、感染防げ インフルエンザ対策に奮闘

 静岡県内でも猛威を振るい、週計患者数(1月14日~20日)が過去10年で最高値を記録したインフルエンザ。子育て中の母親は子や家族内の感染予防、看病、職場対応に、フル稼働中だ。「うつらない」「うつさない」ため、手洗いやマスク、人混み回避、室内換気・加湿をはじめ、具合の悪そうな家族に休息を促したり、ドアノブをアルコール消毒したりと、対策に追われている。

 生後半年の第1子の育児休業中の病院職女性(29)=静岡市葵区=は同じ病院職の夫の感染リスクを考え、朝夕の2回、部屋を5分以上、換気する。夫にせきなど少しでも異変を感じたら「熱がなくても帰宅後すぐに寝てもらう。体が弱ると感染リスクが高まるから」と話す。

 三島信用金庫田京支店の女性(31)は保育園児の長男(2)が1月に感染した。同居する夫の両親含め大人4人は予防接種を済ませ、長男は2回目を待っている時だった。

 看病を夫の両親に頼み、自身も職場の休暇制度を使って一日休んだ。長男がマスクを嫌がり、罹患(りかん)している間、添い寝中もマスクを着用し続けた。「私は幸いにも看病してくれる家族がいたが、そうでない家庭は大変」と心配する。

 静岡市駿河区の団体職員の女性(38)はこども園に通う次男(6)が昨年12月に感染。治って登園しようとしたところ今度はクラス閉鎖で休まざるを得なくなり、結局1週間、夫と交代で仕事を休んだ。「職場の理解に感謝する」と話す。

 同市葵区の事務職女性(46)も高校生の長女(16)が感染した。看病中、力を入れたのはトイレや洗面所のドアノブ、スイッチなど長女が触れたものへのスプレーによるアルコール消毒。嘔吐(おうと)時は窓を開け、長女と自分の洋服も洗濯した。換気は1時間ごとを心掛けた。次女に数回感染経験があり、「今回も同じ対策が奏功したのか、家族感染は回避した」という。

 娘が高校受験を控える富士宮市のパート女性(51)は塾から睡眠時間の提出を求められていることもあり、早めの就寝を促している。「この時期の受験は、親も心労が絶えない。母の私が倒れたら大変なことになる」と健康管理に努める。

 小児科医でもある県疾病対策課の後藤幹生課長は「家族が感染した場合は食事の時間を分けたり、食器やドアノブといった共有物に触れる前に感染者の手を除菌したりすることが有効。家族全員で意識や情報を共有するよう心掛けてほしい」と呼び掛ける。